緊張感というのは外部や他人の反応であって、自分の判断は関係ない。例えば、競技の採点、学力テストの結果待ちなど、既に行動を終えている事すらある。

一方でスリルは自分で答えや結果を措定し、それをどう達成・証明するかが問題になる。目的に対する必然、自信などが必要。

同時に、焦りは安定した状態や予定/予測への回帰願望。例えば、鍵やスマホを忘れた、割れ物が落下しそうになる、誤注文、桁を打ち間違えるなど。本来こうあるべきという考えが前提。

痴漢や万引きなどチート行為に悦を感じてしまう人間は、この3つの感情がごちゃごちゃになっているのではないかと思う。

兆候は個人で異なるが、相手の事を考えないので、歩きタバコ、体臭などへのデリカシーの低下。それから景色や絵画や花や人の外見や料理の味など、厳密には上下に分けられないものを序列立てる。自分が食べられないものを全部「不味い」と言ったり、要するに、得体の知れないものは卑下し、その場で結論しないと気が済まない心理傾向が考えられる。

この例の場合、そもそもリアルタイムに変化する人の感情を「願望」なんてもので単純に捉えようとする事自体が奇妙。

で、それを作用させる要因とも言えるのが、勝敗・比較優位への固執、自分を公機関や企業等に結びつけ一体化する行為。少なくとも、社会のお墨付きというか、目的に対する全能感を得るような儀式的な習慣がある筈。

従って解決策としても、そこを発見し叩く方法があれば一番良いと思う。

繰り返すが、他人の感情や心の襞を分かっているとか、陳腐な言葉でそれを軽々しく語りたがる人間は、物事を捌く基準、価値判断に対する全能感に酔っている。そして自信を得る為に、例えば中二病がアーティストや映画のヒロインに自己投影するような、何かを象徴として祭り上げる行為が、それは日常に埋もれているにせよ必ずある筈。

ところで、この前、万引きで捕まった元実業団のマラソンランナーは摂食障害だったという記事が出てたけど、自分は痴漢や万引きを病気のように言って甘やかす傾向が好きじゃない。

好きなものを腹一杯食べて嘔吐するのは、自制心や減量トレーニングで自らの体重を管理している他の選手からしてみればチート(偽装)行為だよ。

彼女がこの痴漢男よりマシだと思うのは、それが世界的な競技で、目的に関しては企業やコーチの膝元で意識を共有しその結果を求められており、また、依存初期の段階で直接的な被害者がいなかったから、反省の弁が述べられているからで、行為そのものに同情の余地はない。

この男はコントロール不可能だというが、もし本当にそうなら檻に入れて監視した方が良い。

措置入院とし完治するまで娑婆に出すべきではない。

最後に捕足を込めて矛盾を指摘しておけば、自信というのは結果が不透明だからこそ自信なのであって、100%確信している物事はただ当たり前のように、無意識の動作のように感じるだけだ。いちいち身構えたり、魔が差したり、また、この場合の人混みや暗闇に紛れるだとか、相手を振り切って逃げるといったチートの入り込む余地はない。

潜在的な痴漢は10万人以上いる!? 痴漢撲滅を目指すのに必要なことは

(日刊SPA! - 09月09日 16:04)